SHOEI NEWS2025年 7月号 Vol.304

CONTENTS

商況案内

トルコ ナッツ ドライフルーツ 市況

~トルコ全域を襲った寒波によるナッツ・ドライフルーツ生産への影響~

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 2025年4月中旬にトルコ全域を襲った寒波は、地域により被害の差はありますが、生育中の農産物に悪影響を与えました。この様な状況にあたり、弊社サプライヤーより被害情報の収集を行いました。

◆ヘーゼルナッツ…2025年産収穫量予想 52万MT(前年比67%、26万MT減少)

 ヘーゼルナッツの主要産地である黒海沿岸中部および北部地域は、極寒の天候に見舞われ、特に標高450mを超える地域では極低温による霜の被害が深刻となっており、収穫量減が不安視されていることから現地相場が急騰しております。
  2025年産の収穫量は5月上旬に開催されたINC(国際ナッツ・ドライフルーツ評議会)の総会では60万MTとの予想が発表されましたが、5月下旬にトルコ政府統計局が発表した収穫量は52万MTと更に悲観的な予想となっております。相場の急騰により需要が失速したことで、一旦値上がりは落ち着いたものの高止まりとなっており、新物収穫の8月頃までは相場及び収穫状況に注視する必要があります。

◆レーズン…2025年産収穫量予想 22万MT(前年比97%、6千MT減少)

 トルコ西部に位置するレーズン産地のマニサ県では、生育中であったレーズンの新芽に霜が降りました。その影響で収穫量減が不安視されており、一時的に相場が上昇しております。但し、マニサ県は比較的温暖な地域であることから作物への被害は最小限に留まる予想もあり、繰越在庫も例年並み(約4万MT)との見込であることから、現在の相場高騰は新物状況が明確になるまで農家がレーズン原料の売り控えを行っていることに起因しております。今後の生育状況次第で相場の動きが変わる為、新物収穫までは状況を注視する必要があります。

◆ドライアンズ…2025年産収穫量予想 0万MT(前年比0%、10万MT減少)

 トルコ東部に位置するアンズ産地のマラティア県では、季節外れの気温低下と降雪がありました。これによりアンズの新芽と木に回復不能なダメージが加わったことから、今期の収穫についてはほぼゼロとなる見込みです。尚、2024年産が比較的豊作だった為、繰越在庫は 例年よりも多く(約5万MT)なる予想であるものの、大減産の影響から相場は急騰しております。中国産品やウズベキスタン産品での代替案も挙がっておりますが、トルコ産品とは形状や味において大きな差異があることから、完全な代替品にはならないとの認識が一般的であり、現地の樹木が回復するまでは世界的なアンズ不足が懸念されます。

◆ドライフィッグ…2025年産収穫量予想 7万MT(前年比117%、1万MT増加)

 トルコ南西部に位置するフィッグ産地のアイドゥン県では、高地で栽培されるフィッグの木の一部に霜害が発生したとの情報がございます。但し、栽培地の向きや立地状況で被害の程度が異なる上、中低地で栽培される樹木においては特段の被害が発生しなかったことから、現在のところ収穫量には影響なく相場については安定しております。繰越在庫についても昨年よりは多く(約1万MT)あることから、供給を不安視するほどの段階には至っておりません。

インド アルフォンソマンゴー 市況

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 アルフォンソマンゴーは湿度、温度が最も適しているとされるインド西海岸沿いの地域(マハラシュトラ州ラトナギリ~グジャラート州バルサッド)で主に栽培されており、西インドのアルフォンソは最も品質が良く、価格も高いため、現地では「プレミアムアルフォンソ」と呼ばれています。
 一方、ゴア州よりも南部の内陸部で栽培されているアルフォンソマンゴーは価格が安く、風味が弱いため、「サウスアルフォンソ」と呼ばれています。弊社マンゴー製品にはより風味の強い、西インドの「プレミアムアルフォンソ」のみを原料として使用しています。

◆2025年産クロップ情報

収穫数量 : 開花期/成長期の高温の影響により、収穫量は昨年並みか若干の減少
収穫時期 : 例年より早く4月下旬より開始
原料価格 : 需要減による値下がり傾向

 12月~1月の開花状況は良好でしたが、その後、2~3月の高温の影響により期待したほどの結実がなく、収穫量は昨年並み、もしくは若干減少する見込みです。
 生産は例年4月末~5月1週目より開始しておりますが、今期は高温の影響で収穫が早まった事から、4月下旬より生産を開始しました。更に、アルフォンソマンゴーはモンスーンによる雨季が始まると収穫が終了しますが、今期はモンスーンが例年に比べ10日程早く到来したため、シーズン終盤にかけて原料価格は高騰し、且つシーズンも早く終わる見込みです。
  価格については、今期モンスーンが早かった影響により、インドでは夏にあたる4~5月の気温が低く、国内生鮮向けの需要が低かったことに加え、飲料向けについては、マンゴー以外のフレーバーの台頭も相まってここ数年販売が落ち込んでいることや、EU向けの輸出需要も低く、アルフォンソ種以外も含めたピューレ品のキャリーオーバーが多くあることから、各社値下げでの提示となりました。

~弊社取り扱いマンゴーピューレ製品ラインナップの一部~

●アルフォンソマンゴーピューレ(アセプティック)
荷姿:220kg、20kg、10kg、5kg×2袋

●アルフォンソマンゴーピューレ(缶詰)
荷姿:1号缶 3,100g×6缶 (無糖・加糖)
    2号缶 850g×12缶 (加糖)

●冷凍マンゴーピューレ(加糖)
荷姿:6kg(1kg×6袋)×2合

製菓、製パンの原料からアイス、ヨーグルト、ゼリー、飲料、デザート、料理各種等に、幅広くご使用いただける弊社のアルフォンソマンゴーピューレ製品をぜひご活用ください。

中国 ストロベリー 市況

~中国山東省産いちご「US13号」、今年は厳しいスタートに~

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本年度の山東省産いちごの作柄状況は、昨年に比べて厳しい状況にあります。

●昨年のスエズ運河問題により、欧州市場での需要が減少。これにより現地価格が下落し、農家が他作物へ転作。
●結果として作付面積が約2割減少。
●昨年8月の育苗期に発生した豪雨が苗の生育に悪影響を及ぼし、新物いちごの価格が序盤から高騰。
●生鮮需要は減少傾向だが、中国国内フルーツティー向け等の加工用途の需要は堅調。
●現地価格は上昇しているが、円高の影響により輸入コストは若干の値上げに留まる。

 収穫は低気温の影響で例年より1週間遅れ5月10日前後に開始され、5月中旬時点では赤く熟した果実は少ない状況でした。中国のいちご農園では、自然受粉に加え、ミツバチを活用した受粉も行われています。視察時には、ミツバチの巣箱の至近距離まで接近する場面もあり、少々スリリングな体験となりました。異物として挙げられる石や砂の混入防止策として、畝のマルチングと高設栽培が徹底されております。また、農薬のドリフト対策も丁寧に実施され、品質管理にも万全を期しております。
 弊社は、主に5月収穫の山東省産「US13号」、および6月収穫の遼寧省産「ハニー」の冷凍いちごを取り扱っております。ご興味のある方は、ぜひ弊社営業担当までお問い合わせください。

国内 乳製品 市況

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 農林水産省によりますと4月の全国の生乳生産量は前年比101.5%と前年を上回り、全国と北海道は9ヶ月連続前年を超えています。北海道では前年比102.9%と大きく上振れする一方で、都府県では前年比99.8%と前年をわずかに下回りました。
  4月末の推定在庫量はバターで約29,500トン(前年比114%)、脱脂粉乳で約56,000トン(前年比110%)となっております。また4月のバター製造量は7,746トン(前年比106%)、脱脂粉乳製造量は15,505トン(前年比104.0%)と何れも前年を上回り増産となりました。
 農林水産省が公表する大口需要者価格はバター¥1,502/kg(税抜、前年比102%)、全脂粉乳¥984/kg(同100%)脱脂粉乳¥727/kg(同100%)でした。
 Jミルクは5月末に需給見通しを発表し、2025年度の生乳生産量は734万トン(前年比99.5%)と予想しております。ただ、中身を見ますと前年比で第1四半期は101.3%、第2四半期は101.2%、第3四半期は98.7%、第4四半期は96.8%と、年度が進むにつれて供給が減っていく予想となっております。生乳生産量同様に製品の製造量及び供給も減少する見込みで、年度後半は原料確保に注意が必要になりそうです。

海外 乳製品 市況

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 直近1ヶ月間の海外乳製品相場は乳脂肪系(バター)の上昇が見られた一方で脱脂粉乳などの無脂乳固形分は相場の停滞が見られました。
 地域別に生乳生産量を見ていくと前年比でNZは4月は99.5%、豪州は100.4%、欧州は99.3%、米国は101.5%となっております。NZは前年比で若干減少しましたが概ね順調な推移となっており、豪州も数ヶ月続いたマイナス圏から脱し、米国もプラス圏で推移しております。一方、欧州はドイツやフランスなどの主要国が酪農家の生産意欲減退でマイナスが続いており、この欧州の供給減が欧州域内の価格を押し上げ、オセアニアにも波及して価格の下落が起きにくい要素になっています。
 製品別にみた場合、NZバターはFAS条件でUS$7,800/MT近辺と前月比でUS$10/MTの下落となりましたが、多少上下しながらも最高値圏を維持しております。一方、欧州価格はUS$8,490/MT近辺と前月比US$70/MTの値上がりとなりました。ユーロ高の影響で若干高くなりましたが依然としてNZ同様に最高値圏維持となっております。今年も欧州は生乳生産量のピーク時に生乳の生産量が芳しくなく結果的にバターの作り溜めがあまりできていないことが原因で、結果的に欧州のバター価格を高値で維持させているだけでなく、NZにも波及している形となっています。一方で脱脂粉乳は需給が均衡している状態が続き、値動きがほぼない状態となっています。
 今後については欧州の生乳生産量が若干の回復傾向が見られることから、バターの作り溜めがいくらか進み、価格の下落が見られる可能性もございます。また、中国需要も減退が見られることから全体的に下落圧力がかかる可能性もあります。

商品案内

甘熟王バナナチップスほんのり塩味 60g 新商品のご案内

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 現在販売しております甘熟王バナナチップスの姉妹品として、期間・数量限定で「甘熟王バナナチップスほんのり塩味」を発売いたします。
㈱スミフルジャパンのブランドである「甘熟王」のバナナチップスに塩を 足してほんのり塩味に仕立てました。
今だけの特別な商品となっておりますので、この機会に通常品と併せてぜひご検討くださいますようお願い申し上げます。

~商品特徴~
✓バナナの王様「甘熟王」でつくったバナナチップスに塩を足して、甘じょっぱくてクセになるほんのり塩味に仕立てました。
✓保管に便利なチャック付きです。

荷  姿:12袋×2合/ケース
保存方法:常温   
賞味期限:6ヶ月   
包装形態:チャック付きスタンド袋   
内 容 量:60g  
希望小売価格:198円(本体価格) 

★元祖★高地栽培 甘熟王バナナ
 甘熟王バナナは標高700m前後の高地で栽培されています。
朝と夜の気温差が大きいため育成期間が通常のバナナ約10ヶ月に対し、甘熟王は約14ヶ月前後と長く、
その間にバナナ自身が寒さから身を守るために、より多くのデンプン質が蓄えられ、美味しいバナナに育ちます。

デザートシロップ ~チョコ風味~ 新商品のご案内

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 昨今のカカオの価格高騰をうけ、これまで以上にコストパフォーマンスのある、チョコ風味のトッピングソース「デザートシロップ(チョコ風味)」を発売いたしました。
 従来品である筑波乳業チョコレートシロップと同様にビターな風味と 適度な粘度をもち、ドリンクやデザートメニューなどに飾る・かける・混ぜるなど様々な用途にご使用いただけます。

~商品特徴~
✓コストパフォーマンスに優れたチョコ風味のトッピングソース。
✓常温で1年間・長期保存可能。

原材料名:砂糖(国内製造、韓国製造)、水飴、果糖ぶどう糖液糖、ココアパウダー、寒天、食塩/着色料(カラメル)、乳化剤、香料、増粘多糖類
荷  姿:590g×12本
保存方法:常温
賞味期限:1年

正栄だより

Bakery China Spring 2025 出展報告

~上海秀愛国際貿易有限公司~

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 第27回上海ベーカリーチャイナは、上海虹橋国家会展センターにて5月19日~22日の4日間開催されました。
「上海秀愛国際貿易有限公司」は16年連続で本展示会に出展しております。今年も正栄食品の現地法人「青島秀愛食品有限公司」「延吉秀愛食品有限公司」「香港正栄国際貿易有限公司」ならびに、日本から弊社のアジア・中国事業統括部が一同に集結し、展示会に臨みました。
 本展示会は、企業のブランドプロモーション、業界交流、市場動向の把握などにおいて、非常に重要な意義を持っています。
 展示会期間中、中国焙焼食品糖製品工業協会は、日本および韓国のベーカリー協会と共同で、「第5回トップ・パティシエ・オブ・アジア」を主催しました。また、「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」及び「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジェリー」の中国地区予選、「若手パティシエコンテスト」、「ピザ・エリート・チャレンジ」、「クリエイティブ・コーヒー&ドリンク・コンテスト」など、全国規模の競技会も展示会と同時に開催されました。
 今回の展示会では、展示スペースが33万㎡に拡大され、12の展示ホールを使用。約30ヶ国から2,200社以上が出展し、来場者数は40万人以上が来場しました。上海秀愛ブースでは、展示方法を一新。業界別にコーナーを設け、ベーカリー(ナッツ・ドライフルーツ)、飲料類、ナッツペースト類、フルーツソース類、新商品コーナー、主力商品などに製品をカテゴリー分類して展示を行いました。
 新商品コーナーでは、冷凍タイプのイタリアンピザの試食イベントが大変な人気を集め、多くのお客様からピザの食感や取り扱いやすさについて、高い評価をいただきました。イタリアンピザに加え、トマトソース、パスタ、スペイン産オリーブ、オランダ産モッツァレラチーズなども展示・ご試食いただき、お客様に新商品を体験いただきました。
 さらに「秀愛オンライン販売」も初めて一般公開し、販売モデルの多様化実現につなげることが出来ました。上海ベーカリーチャイナ展示会は、ベーカリー業界の“風見鶏”として市場動向の把握を支援するとともに、ビジネス提携の促進にも寄与しています。
 今回の展示会を通じて、秀愛グループが業界内でさらに広く認知され、より多くの賞賛を得るとともに、ベーカリー業界におけるナッツおよびドライフルーツのリーディングブランドとしての地位を今後も維持し続けていくことを願っております。

2025夏 焼き菓子トレンド情報

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 焼きたてフィナンシェブームが続く中、最近では「焼き菓子」に特化した販売イベントが多方面で開催され消費者の注目を集めています。また、今勢いのある人気パティスリーではフィナンシェやマドレーヌやといったアイテムをお店の看板商品として販売したり、焼きたてを提供する専門店に展開する等、本来は素朴でシンプルであったはずのアイテムが、今は華やかに存在感を放っているのです。SHOEI NEWS 7月号では、5月~6月にかけて都内の調査を行った結果捉えた、今注目すべき二大焼菓子カテゴリー、フィナンシェとマドレーヌの最新トレンドをお伝えいたします!

Key Words!
調査してわかった!今人気のフィナンシェ ・ マドレーヌの特徴は?

焼きたて・・・焼きたての状態で個包装せずに陳列。豊かな香りと食感が味わえる
プレミアム感・・・高品質な素材を贅沢に取り入れ、付加価値を持たせている
満足感・食べ応え・・・濃厚な味わいで一つ食べると満足感が得られる
素材へのこだわり・・・シンプルな配合だからこそ、素材へのこだわりが感じられる
華やかさ・・・トッピングの工夫で、「茶色」だけではない華やかさを演出
季節感・・・季節感ある素材を使用し、シーズン毎に展開している

2025年5月~6月の調査時には「レモン」「ココナッツ」のフレーバーがよく見られました!

●フィナンシェとは…基本材料は、卵白、焦がしバター、アーモンドプードル、小麦粉、砂糖を使います。
          表面をカリッと焼き上げ、しっとりと香ばしい風味が特徴です。

●マドレーヌとは …基本材料は、全卵、溶かしバター、小麦粉、砂糖を使います。アーモンドプードルは使わないのが一般的です。
          フィナンシェに比べふんわりとした食感です。

【フィナンシェ】
A:大きすぎるフィナンシェ
B:カヌレ×フィナンシェ
C:バニラ
D:メープル×ピーカン
E:メープル×クルミ
F:ココナッツ
G:さつま芋
H:いちご×杏仁
I:紅茶×アプリコット
J:シチリア島産アーモンド
 
【マドレーヌ】
K・M:ケーキになったマドレーヌ
N:レモン×ココナッツ
O:苺×バジル

詳細は、弊社営業担当までお問い合わせください。

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