SHOEI NEWS2025年 11月号 Vol.308
CONTENTS
商況案内
カリフォルニアアーモンド 市況
      
       2025年産カリフォルニアアーモンドの収穫は、7月下旬より南部で開始されました。序盤は順調に収穫が進んでいましたが、9月中旬以降に度重なる大雨に見舞われ、その度に収穫の遅れが発生することとなりました。農家では降雨の予報が出る度に、予めシェイキング(実を木から振るい落とす作業)を中断し、既に地面で天日乾燥中のアーモンドを農園から回収することで直接的な降雨の被害を防いだため、収穫量への影響は限定的と考えられていますが、乾燥途中で回収したアーモンドをドライヤーで乾燥させるなどの作業が発生しています。
  収穫量につきましては、7月10日に発表された最終収穫予想(30億ポンド)には到底届かないとの意見が大勢を占めております。理由としましては、約40%を占める主要品種ノンパレルの作柄が悪く10〜15%減少していることと、ターンアウト(農園から入ってきた外皮、殻に包まれた原料から剥き実までの歩留)が例年に比べ3~4%程度悪化していることが挙げられます。ターンアウト悪化の要因については明確にはなっていないものの、気候が穏やかであったことから外皮と殻が分厚く生育し、剥き実の割合が減ってしまったものと推測されています。したがって、実際の収穫量に関しましては27億~28億ポンドとなる見込みです。品質については色調が明るく、虫害も減少しており、サイズ分布に関しましては、日本向けの25/27~27/30が多いようです。
 現地相場の動向ですが、前述の通り、最終収穫予想が豊作予想であったため発表直後は相場が値下がりしたものの、実際の収穫が始まると作柄が悪いことから産地側が販売に慎重となる一方で、消費国側は各国手当が薄かったこともあり、直近の船積みを中心に強気の相場の中でも一定量の成約が続いた結果、現地相場は最終収穫予想発表前と同レベルまで値上がりしました。
  現地時間の10月9日に発表された9月末締めのポジションレポートによりますと、8~9月の累計受入数量は9億92百万ポンド(前年比95.9%)となりました。累計出荷量につきましても、3億55百万ポンド(前年比93.0%)と前年割れとなっており、アメリカ国内向けが98百万ポンド(前年比83.0%)、輸出向けが2億2百万ポンド(前年比97.4%)と、特に国内向けがインフレによる経済状況の悪化により著しい落ち込みが見られます。しかしながら、10月以降はスペイン産アーモンドの減産、米ドルに対するユーロ高の状況からEU諸国からの引き合いが増加し、また、これまで買付が遅れ気味であったインドやトルコからの買付も旺盛となっており、相場は強気で推移しております。
カリフォルニア レーズン 市況
      
       2025年産カリフォルニアレーズンの原料となる、ぶどうの生育は良好で例年通り天日乾燥が8月中下旬から本格的に始まり、9月中旬までは順調に進んでおりました。しかしながら9月19日未明に主産地フレズノの南部から東部にかけて25mm前後の降雨が発生しました。フレズノの年間降水量は300~400mm程度で、25mm前後の降雨のインパクトは小さくありません。現地の業界関係者の間では、降雨前は2025年産の収穫見込200,000ショートトン(以下st)以上と言われていたところ、降雨によってトレードライのレーズンを中心に被害が生じ、降雨後は180,000st程度の収穫見込、という見方になっております。
 前年度(2024年8月~2025年7月)は、出荷量が160,919stで前年比91.2%、収穫量が187,954st(同110.9%)で供給増・需要減となり、今年度への繰越在庫は約65,000st(前年比約17,000st増)で、2025年産を加えた総供給量は、245,000st強となる見通しです。
 10月中旬現在、降雨の影響等で工場への受入は前年比70%程度の進捗で、原料の品質見極めが十分にできておらず、パッカー各社からは積極的にオファーはされておりません。
 総供給量の増加でオファー価格の下落が期待されておりましたが、世界最大の産地であるトルコ産レーズンが4月の霜害によって例年並みの300,000mtに届かない185,000mtの収穫見込である事や、米国内のインフレによって生産コストは上昇しており、価格動向への注視が必要です。
  最新の市況及び価格につきましては弊社営業担当までお問合せください。
中国 レーズン 市況
~2025年産「豊作なるも輸出需要増にて相場横ばい傾向」~
      
       中国レーズンは世界的な需要の高まりから、昨年クロップより大幅に価格が高騰しております。本年8月上旬、生食向けぶどうは需要の高まりの影響で、昨対比約1.5倍程度まで相場が上昇しました。対してレーズンの生産量は好天により、昨対比約10%程度増産しました。農家やサプライヤーはトルコの減産を価格上昇の要因として捉え、トルコレーズンの生産状況を注視しています。実際にトルコレーズンは減産となりましたが、大幅な相場高騰の見込みがないことから10月末現在、中国レーズン相場は昨年と同価格帯で推移しており、依然として高止まり状態が続いております。
 グリーンレーズン(陰干し)とサルタナレーズン(天日干し)については長年、グリーン6:サルタナ4程度の生産割合でしたが、昨年より半々程度まで割合が変動しております。これは高価なグリーンレーズンの中国内需要低迷と、サルタナレーズンの輸出需要増加が明確な要因として挙げられます。
 弊社は農薬管理がなされた安全・安心な原料のみを使用し、中国内の自社工場において複数回の静置目視選別を経ることで、異物・夾雑物の混入リスクを最大限排除した商品をご用意しております。
 詳しくは弊社営業担当までお問い合わせください。
◆弊社取扱い中国レーズン製品 ラインナップ
・ 洗浄中国ゴールデンレーズン 12kg
・ 選別中国ゴールデンレーズン12kg
・ グリーンレーズン手選別Q 12kg
US ピスタチオ 市況
      
       2025年産USピスタチオの収穫は8月下旬に始まり、10月下旬には概ね終了する見込みです。10月20日時点での受け入れ数量は、775,919ショートトン(以下st、2024年産の最終収穫量503,238stに対し154.2%)となっており、繰り越し在庫51,974st(前年比62.1%)を含めた総供給量は827,893st(前年比141.0%)と大幅な増産で着地する見込みですが、品質面では一部に懸念が生じております。生育期の気候が穏やかであったことから収穫前半は虫害が少なく良質な作柄となりましたが、9月後半以降の断続的な降雨の影響により、殻の表面のシミやカビ等、品質面での懸念が広がっています。この降雨の影響は、全体の30%に及んでいると言われており、豊作ではあるものの高品質な原料は供給に限りがあるようです。
 一方で2025年産の出荷は好調に推移しており、9月単月では前年比113.4%となっています。中国向けは、関税問題や価格下落を見込んだ様子見の姿勢が続いていることから出荷量が減少していますが、その他の主要市場は堅調です。特にEU市場では、ユーロ高を背景に販売が好調で、需要拡大を後押ししています。こうした需要の高まりを受け、現地側からの情報によると、USピスタチオ業界全体として既に約50%以上が成約済みとのことで、増産にもかかわらず、成約が順調に進んでいることから、現地相場は高値にて推移しております。
タイ コーン 市況
      
       タイでは年間を通してスイートコーンの栽培と収穫が行われており、主要産地では今期も概ね順調なシーズンを迎えております。現地パートナー各社からの報告によると、契約農家との連携強化や栽培計画の見直しが進み、原料の安定確保が図られています。
 今期も平地から高地まで複数地域で栽培が行われており、一部地域では天候の影響を受けながらも全体として良好な生育状況が続いて  
おります。
 現地では、洪水後の土壌改善や冷涼期の気温変化に対応するための作付け調整が行われており、大きな影響はないとみられます。北部の主要産地では高温や断続的な雨が続いたものの、コーンの成長には概ね好条件で、粒の揃い・色味・品質ともに良好との報告です。工場への原料搬入は各社とも安定しており、生産計画も概ね予定どおり進行しています。ただし、10月から翌年2月にかけては収穫の端境期
にあたるため、一時的に原料供給量が減少する見込みです。
 コスト面では、人件費や副資材価格の上昇が引き続き課題となっています。特に労務費は年々上昇しており、生産コスト全体に影響を与えています。また、市場競争の激化により、各メーカーとも新たな栽培地域の開拓や効率化の取り組みを進めており、安定的な原料確保とコスト抑制の両立を模索しています。
 輸送面では、日本向け航路は比較的安定しており、欧州向けのような航路混乱は見られません。
 総じて、現地の生産・供給体制は堅調に推移しており、今後も安定した出荷が期待されます。弊社としても、現地パートナー各社との協働を通じて、引き続き品質確保と安定供給の両立に努めてまいります。
~弊社取扱いタイ産 スイートコーン製品 ラインナップ~
◆冷凍スイートコーン 
原材料名:スイートコーン
荷  姿:1kg×10袋、10kg袋
賞味期限:2年 
保存方法:冷凍 
◆スイートコーン レトルトパウチ
原材料名:スイートコーン、食塩
荷  姿:2,550g×6袋
賞味期限:18ヶ月
保存方法:常温 
◆スイートコーン ホールカーネル
原材料名:スイートコーン、食塩
荷  姿:75oz缶×6缶、12oz缶×24缶
賞味期限:3年
保存方法:常温
商品案内
果肉入りフルーツソース 新発売のご案内
      
       この度、新たなデザート商材として「果肉入りフルーツソース」を新発売いたしました。フルーツ本来の香りや味わいに加え、ゴロッとした果肉感をしっかりと感じていただける製品です。解凍後すぐにご使用いただけるため、パフェやアイスクリームのトッピングなど幅広いデザートメニューに、手軽にご活用いただけます。
 本製品は、原料調達から国内自社工場での加工までを一貫して行う当社の強みを活かした商品で、安心・安全で高品質なフルーツソースです。
~製品特徴~
ーごろっと果肉、手間いらずー
ゴロッとした果肉感を手軽に演出できるフルーツソースです。製品全体のうち約60%(充填時)に果肉を使用。
フルーツを別添しなくても、ゴロッとした食感を手軽に演出することが可能です。
◆果肉入りフルーツソース りんご
荷  姿:500g×20袋/ケース、300g×20袋/ケース
賞味期限:2年
保存方法:冷凍
◆果肉入りフルーツソース マンゴー
荷  姿:500g×20袋/ケース
賞味期限:2年
保存方法:冷凍
 現行のラインナップに加え、新たなフルーツソースの開発を進めております。生産ロットや規格等の条件はございますが、お客様のニーズに応じたフルーツや荷姿での製造も可能です。ご検討の際は、ぜひ弊社営業担当までご相談ください。
極大粒むき栗130g 新発売のご案内
      
       この度新商品といたしまして、「極大粒むき栗130g(65g×2パック)」を発売いたします。1粒あたりのサイズが極めて大きく、インパクトがある一品です。
 一度食べたら忘れられない、贅沢な食べ応えをご堪能いただけます。
~製品特徴~
・栗の中でも、特に大粒のむき栗です( ※当社比)
・栗本来の香りと、しっとりなめらかな口当たりの良い一品に仕上げました。
・窒素ガスを充填しているため、栗の風味を長く保つことができます。
・小分けが嬉しい、食べ切り2袋入りです。
◆果肉入りフルーツソース マンゴー
荷  姿:20袋/ケース
保存方法:常温
賞味期限:12ヶ月
包装形態:外装/内装…スタンディング袋
内 容 量:130g(65g×2パック)
希望小売価格: 358円(本体価格)
正栄だより
SICOLY® カンタン・バイィ シェフ 洋菓子講習会開催のご報告
      
      ~「クープ・デュ・モンド優勝シェフ」の技に注目! SICOLY®講習会、東京・大阪の2会場にて開催~
 この度、2025年9月22日大阪会場、9月24日東京会場にて、弊社主催「SICOLY®社冷凍フルーツピューレ及びアンセール(冷凍フルーツシート)洋菓子講習会」を開催いたしました。本講習会は、SICOLY®社及びSTIBO社のご後援、株式会社前田商店、タカナシ販売株式会社、株式会社ナリヅカコーポレーションのご協賛をいただきました。
 講師には、SICOLY®のアンバサダーシェフを務めるカンタン・バイィ氏をお招きし、本場フランスの製菓技術を披露して頂きました。カンタン・バイィシェフは、2013年のクープ・デュ・モンド・デュ・ラ・パティスリーでフランス代表として見事優勝を果たした著名なシェフです。2017年、フランス リールに自店をオープンされており、日本で開催されているサロン・デュ・ショコラにも毎年参加されています。
~プロの技術が詰まったデモンストレーション~
 講習会では、SICOLY®社の主力製品である冷凍フルーツピューレに加え、アンセール(冷凍フルーツシート)の魅力と活用法をご紹介いただきました。
 バイィシェフは、優勝経験者ならではの精緻な技術で、華やかなプチ・ガトーやケーク、ボンボンショコラ等、計6品のお菓子を実演。参加された皆様は、シェフの華麗な手さばきと、惜しみなく公開されるプロの知識に熱心に聴き入られておりました。また参加者から熱心に挙がる質問に、シェフが丁寧に回答され、とても実りある時間となりました。
 両会場ともに多くのお申し込みをいただき、満員御礼の盛況のうちに両日程を終了いたしました。ご来場くださった皆様に心より感謝申し上げます。
この度の講習会を通じ、SICOLY®製品の持つ品質と可能性を改めてお伝えできたことを大変嬉しく思っております。
  今後も弊社は、SICOLY®製品の魅力や、プロの現場で役立つ実践的な活用方法を積極的にお伝えしていくことで、皆様の製菓技術の向上と、より付加価値の高い製品開発に貢献できるよう、一層努めてまいります。引き続きご支援、ご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
「未来へ繋ごう!カリフォルニアプルーン ライフクリエーションコンテスト」
大阪・関西万博 USAパビリオン
      
       2025年9月29日(月)、大阪・関西万博USAパビリオンにおいて、学校法人村川学園とカリフォルニアプルーン協会共催による「ライフクリエーションコンテスト」が開催されました。
 当イベントは大阪府の特産品と米国産食品のコラボレーションをテーマに、大阪府最大の生産量を誇る羽曳野市の特産品である羽曳野いちじくと、米国産カリフォルニアプルーンを使用した村川学園の学生チームのレシピコンテストです。村川学園が運営する「大阪調理製菓専門学校 和泉本校」、「大阪調理製菓専門学校 ecole UMEDA 」、「山手調理製菓専門学校」から、生菓子・焼菓子部門において、それぞれ厳しい審査を勝ち抜いた3校の代表チームが集結し、計6チームによるコンテストが行われました。
 審査は、日本乾果物輸入協会の会長を務める弊社代表取締役社長の本多秀光を含む、計12名の審査員の元、「見た目」、「おいしさ」、「独創性」、「プレゼンテーション力」、「イベントとの整合性」の5つの項目で評価されました。
 生菓子部門ではシナモンで奥行きを持たせながら、クリームチーズとマスカルポーネで贅沢な味わいを演出した、山手調理製菓専門学校の「Bijou」が1位に。
 焼菓子部門ではアメリカの伝統菓子であるバックルをイメージし、はちみつを使い栄養訴求やプルーンの分散に工夫を凝らした、大阪調理製菓専門学校 和泉本校の「Honiprune buckle」が1位に。
 どのチームの作品もすばらしく、いちじくとカリフォルニアプルーンの良さを引き立たせるため一生懸命に試行錯誤された作品であることがプレゼンテーションからも伝わり、今後の学生達が創出していくであろう独創的な食文化を感じさせるアイディアと、情熱が会場内にあふれるコンテストになりました。
 本コンテストを通して生まれた新しいアイデアと情熱が、未来の食文化を豊かに繋いでいくことを期待しています。皆様の多大なるご支援、ご協力に改めて感謝申し上げますとともに、今後もカリフォルニアプルーン協会の活動にご注目ください。
2025秋 かき氷 トレンド情報
      
      統計開始以来、過去一番の暑さとなった夏が終わり迎えた10月。肌寒さを感じる日と、照り付ける日差しで汗ばむほどの夏日が混在する不安定な気候となりました。そのような中、かき氷業界では、「さつま芋」や「かぼちゃ」に加え、特にこの時季に旬を迎える「栗」をテーマとしたかき氷が注目を集め、9月~10月にかけて盛り上がりを見せました。都内の人気かき氷店では、秋のシーズンでも季節限定のかき氷を求める人で予約の満席状態が続く等人気は衰えず、お店によっては行列も見られる程でした。
 秋の味覚を使ったかき氷は、冷たいかき氷でありながらも口に入れた瞬間に温かみのある風味が感じられ、肌寒い季節ならではのデザートに進化しています。本記事では、人気かき氷専門店の秋のかき氷について、独創性あふれる秋の味覚の使い方や魅力をご紹介いたします。
(※今人気を集めるかき氷のトレンド情報は 「SHOEI NEWS 8月号・9月号」にも掲載しています。合わせてご覧ください。)
あ:和 栗 × ほうじ茶
い:和 栗 × アールグレイ
う:洋 栗 × パッションフルーツ
え:かぼちゃ× クルミのキャラメリゼ紫
お:紫 芋 × マスカルポーネ
※掲載情報は弊社商品の採用と関係はございません。弊社独自の視点で精選した魅力的な市場品をご紹介しています。
※掲載情報の詳細は弊社営業担当までお問合せください。
2025ジャパン・ケーキショー東京 開催される
      
      10月14日(火)~10月16日(木)の3日間、東京都立産業貿易センター浜松町館にて2025ジャパン・ケーキショー東京が開催され、約14,000名が来場されました。ジャパン・ケーキショーは、日本最大の洋菓子コンテストで、会場には日本全国から集まった多くの洋菓子作品が展示されました。
 全国の製菓学校の学生をはじめ、洋菓子店関係者、製菓メーカー等の皆様が来場し、昨年を上回る賑わいが見られました。また、昨年に引き続き会場内では洋菓子関係者によるトークショーも実施され、充実感のあるコンテストとなりました。
 弊社ブースでは協賛メーカーとして、製菓材料各種、ナッツ製品、SICOLY 製品の冷凍フルーツピューレ等を中心に、合計42品を展示いたしました。
 3日間を通して多くのお客様にお越しいただき、途切れることなく賑わいを見せました。ご来場を賜りまして誠にありがとうございました。

      